性ステロイド投与による新生ラットの副腎および胸腺の変化について
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概要
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出生後18時間以内の新生ラットに, testosterone, DHEA, progesterone, estradiol-17β, estrone, estriol, 2-OH estradiol, 2-OH estriol, deoxyestrone, diethylstilbestrolを皮下注射し, 3日後副腎および胸腺の変化を調べ, つぎの結果を得た.<BR>1) 体重の増加はDHEA, 2-OH estriolおよびdeoxyestroneで抑制された.胸腺重量はprogesteroneおよびdiethylstilbestrol以外の各種のsteroid処置で有意に減少した.脾重量の変化は胸腺のそれより軽度であった.副腎はDHEAおよびprogesterone処置で対照より小さく, estroneおよびdiethylstilbestrol処置で肥大した.<BR>2) 副腎corticosterone含量はestrogen処置で著明に増加し, その効果はestriolでもっとも強かった.estradiolおよびestroneでも大きく増加したが, 2-OH estradiolおよびdeoxyestroneには効果がなく, 2-OH estriolの効果は弱かった.一方, DHEAはcorticosterone含量を著明に減少した.<BR>3) cortisolとestriolを同時に注射したばあい, cortisol単独投与にくらべて胸腺と脾の退行が大となったが, 副腎には差がなかった.あらかじめcortisolで処置し, その後estriolを投与すると, cortisolによる副腎の変化が軽度ながら有意にふせがれた.<BR>以上の成績から, estrogen効果の弱いestriol, androgen効果の弱いDHEAの生理的役割, とくに副腎におよぼす影響について考察を加わえた.
- 日本内分泌学会の論文
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