合成Thyrotropin-Releasing Factor (TRF) のTSH放出効果に関する臨床的研究.とくにTRF testの臨床的意義について
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概要
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合成TRFの作用をヒトにおいて観察し, 併せてTRF testについて検討を加えた.正常例ではTRF 25-200μgの単回静脈内投与によつて15-30分をpeakとするTSHの増量, 及び用量反応相関を証明した.間脳下垂体障害例では一般に甲状腺機能低下を伴う症例においてはTRFに対する反応が減弱した.甲状腺機能亢進症では大多数がTRFに無反応であつたが, 一部にはsuboptimalな反応を示すものもあつた.原発性甲状腺機能低下症ではTSHのresting levelは高値であるが, TRF投与後更に上昇を示しかつ高値が持続した.副腎皮質ステロイド長期投与症例及びCushing's syndromeではTRFに対する反応は低下あるいは欠如した.70才以上の老人においても正常反応を示した.これらの結果からTRF testが下垂体TSHの反応予備能を知る検査として有用であることを認めた.
- 日本内分泌学会の論文
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