亜臨界水処理後のオカラにおける抗腫瘍性及び抗プロモーター作用
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概要
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【目的】オカラの殆どは産業廃棄物として処理されており,食用として利用されるのはごく僅かである.オカラを亜臨界水と反応させ,低分子化,可溶化することにより風味や食感が改善される.亜臨界水反応後のオカラの付加価値を明らかにするために抗腫瘍効果と抗プロモーター活性について検討した. 【方法】オカラピューレの調製は 30 MPa, 340℃の亜臨界水条件下で行った.抗プロモーター活性は JB6 Cl 41 細胞を用いたコロニー法及び 3-3 MTT (3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-2,5-diphenyl tetrazolium bromide) 法により評価した.マウス結腸がん細胞を移植したマウスの左足蹠高および移植後のマウスの生存日数と体重を測定することにより,抗腫瘍性を検討した. 【結果】オカラピューレ DMSO 抽出液は JB6 Cl 41 細胞の EGF で誘導したコロニー形成を抑制した.実験開始 10 日目から 20 日目の期間では,結腸がん細胞を移植したマウスは,オカラピューレ群で他の群より生存数が多い傾向が見られた.さらに 22 日目以降では,オカラピューレ群で他の群より,生存期間が長くなる傾向が見られた. 【結論】オカラピューレには未処理のオカラにはない,抗腫瘍性,抗プロモーター活性を有する可能性のある機能性素材としての発展が期待できる.
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