捕食時口唇圧の発達変化
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概要
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口唇は摂食機能において極めて重要な役割を果たしているが, 口唇機能やその発達過程にっいての客観的な分析がこれまで十分になされてきたとは言い難い.そこで, 口唇機能を客観的に評価する一つの指標として, 口唇で食物を口腔に取り込む時の口唇の動き (捕食時口唇圧) に注目した.そして, 口唇機能の発達過程を明らかにする目的で20歳から35歳の健常成人, 0歳から5歳の健常乳幼児について, 捕食時口唇圧の計測を行った.また, 3歳から6歳の障害児についても捕食時口唇圧を計測し, 健常児の捕食時口唇圧の増齢変化と比較した.その結果以下のような知見を得た.捕食時口唇圧の年齢群別平均値は, 0, 1, 2歳児に比較して他の年齢群が有意に大きい値を示した.口唇圧の個人変動係数の年齢群別平均値は増齢的に小さくなる傾向が認められ, また, 0, 1, 2歳児では他の年齢群に比較して有意に大きい値を示した.生後月数と捕食時口唇圧の関係では, 他の多くの身体発達と同様, 36か月までに急激な発達傾向が認められた.障害児においては, 対象児が3歳から6歳という年齢にもかかわらず, 捕食時口唇圧, 個人変動係数ともに健常な0, 1, 2歳児とほぼ同じレベルであった.
- 昭和大学・昭和歯学会の論文
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