「飲むと健康に良い」と宣伝されている諸水製品類の実態の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
今日,特定健康保健食品ではない種々の水製品が,含有成分の作用あるいは水分子の物性の変化を根拠に,「飲むと健康に良い」という種類の宣伝を伴って販売されている。筆者らのグループは,それらのうち,「有害な活性酸素を消去する成分が含まれており,体内で抗酸化作用を示す」とされているもの及び「水分子のクラスター・サイズが普通の水よりも小さく,水のbioavailabilityが大きいので,生体組織への吸収率が高い」とされているものを各々数点選び,試験管内の諸物理化学的性質および健常者における飲用効果を検討した。当該研究において検討した諸検水は,前者については,いずれも試験管内では一定の抗酸化作用を示したが,飲用による健常者の酸化ストレスの有意な低減は検出されず,また,後者についても,水分子のクラスター・サイズを規定する水素結合における普通の水との差異は観察されなかった。これらの水製品は,製造・販売に当り,宣伝内容と実態が乖離していると考えられた。
著者
関連論文
- 5.「抗酸化作用があって健康に良い」と宣伝されている「水」製品の飲用が被験者の血中酸化ストレス指標物質の動態に及ぼす影響の検討(一般発表,第33回 日本バイオフィードバック学会学術総会抄録集)
- 演題15.精神的ストレスは精神的ストレスに対する生化学的応答に変動を及ぼす因子の検討(5)食事の影響, 特にポリフェノール類の多寡による差異について(第28回日本バイオフィードバック学会総会演題抄録)
- 演題2 α波バイオ・フィードバックへの適応性と各種心理テストのエゴグラムの関連について(第22回日本バイオフィードバック学会総会演題抄録)
- 演題3 α波バイオフィードバック療法の神経症患者への適用及びそのミネラル代謝への影響(第19回日本バイオフィードバック学会総会演題抄録)
- 演題4.精神的ストレスに対する生化学的応答に変動を及ぼす因子の検討 : (2)各種の心理テストの結果との関連について(第23回日本バイオフィードバック学会総会演題抄録)(一般発表)
- 演題3. 精神的ストレスに対する生化学的応答に変動を及ぼす因子の検討 : (1)男女差について(第23回日本バイオフィードバック学会総会演題抄録)(一般発表)
- 髄液β-Trace Protein及び関連成分の臨床生化学的研究(平成8年度プロジェクト研究報告(保健学部・保健学研究科),研究助成金による成果紹介)
- 9)気功(内気功・動功)の「開合」型動作がα波バイオフィードバック訓練に及ぼす影響について(第24回日本バイオフィードバック学会総会演題抄録)(一般演題 口演B(第3会場))
- 演題5.精神的ストレスに対する生化学的応答に変動を及ぼす因子の検討(4) : 気功(内気功・動功)の「開合」型動作がもたらす緩和効果について(第26回日本バイオフィードバック学会総会演題抄録)(一般発表)
- 中程度の分子量を持つ生体構成物質の性質(第2報)
- 9.尿中フリーラジカルスカベンジャーの動態から見た精神的ストレスによる酸化障害発生のメカニズムの検討(筋電図バイオフィードバックとリハビリテーション)
- 中程度の分子量を持つ生体構成物質(オリゴペプチドと蛋白質の中間及びオリゴ糖と高分子多糖の中間)の性質
- 演題14.精神的ストレスによる尿中蛋白成分の量的質的変動について(第28回日本バイオフィードバック学会総会演題抄録)
- キャピラリーゾーン電気泳動法によるヒト血清中の塩化物イオン, 無機リン酸, クエン酸の定量
- SDSキャピラリーゲル電気泳動によるヒト脳脊髄液及び血清中のアルブミン及びα_2-マクログロブリンの濃度比の測定
- 高速液体クロマトグラフィーによるヒト脳脊髄液及び血清中の硝酸イオンと亜硝酸イオンの同時定量
- 「飲むと健康に良い」と宣伝されている諸水製品類の実態の検討