食用油としてのツバキ油の効果と抗酸化性
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概要
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ツバキ油の食用油としての可能性を探るため、ツバキ油の抗酸化性および嗜好性についての研究を行った。ツバキ油は40℃の恒温器内で3カ月以上酸化されず、良好な抗酸化性を示した。抗酸化性物質を同定するため、Camellia japonicaの種子から抗酸化物質の抽出を試みた。ツバキの種子を粉砕物からのメタノール抽出物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、HP-20、ゲルクロマトグラフィー)により分画し、Folin-Ciocalteu試薬に活性な部分を追跡した。最終的にHPLC的にほぼ単一物質を含むフラクションと、3種の物質が含まれるフラクションが得られた。前者の単一物質と思われる物質のNMRスペクトルと、後者の3種の混合物質のNMRスペクトルは極似しており、芳香族領域、糖領域、メチル基領域に吸収を示した。芳香族領域の吸収はkaempferolの吸収とほぼ完全に一致した。質量分析(FAB-MS)の結果、これら4種の物質は分子量が100ずつ異なる物質(Mw=426、526、626、726)であることが判明した。さらに詳しい構造を検討中である。ツバキ油の嗜好性は女子学生をパネラーとして色、香り、味、脂っこさ、総合評価の官能検査を行った。サラダ油との比較において、非加熱料理の各種ソース類ではツバキ油はあまり好まれなかった。加熱料理においてはツバキ油が有意差をもって好まれた。