職場の結核の疫学的動向 看護師の結核発病リスクの検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
〔目的〕結核患者の発生を職場という視点で分析し,職業別に患者発見の動向を明らかにすること,特に看護師については罹患率を推計すること。〔資料と方法〕結核発生動向調査年報,国勢調査年の職業別人口を用いた。職業別に患者の発見方法の変化を比較し,看護師と教員・医師の罹患率を男女別に推計した。〔結果〕看護師等では新登録中職場健診発見割合が年々拡大し,2004年は40.4%になった(医療機関発見割合は43.9%)。また看護師等では家族以外の接触者検診で発見される割合が1995年以降急速に拡大し,2000年以降は6〜9%になった。1987年から2004年にかけて新登録者は5.6万人から3.0万人へ47.4%の減少をみたが,看護師等は490人から574人へ17。1%の増加となった。18年の間,看護師の罹患率は横ばい状態で,2004年の罹患率は,女で10万対46.3,男で825と推計された。その他の職業の20〜59歳の罹患率と比較した相対危険度は,女で4.3(95%CI:3.9〜4.8),男で3.8(95%CI:2.8〜5.2)となった。一方,教員・医師の相対危険度は男女とも1以下であった。〔考察〕相対危険度から看護師の結核の約80%は職業起因と推察され,看護師の働く場である医療機関あるいは高齢者施設等においては,職場健診も含めて院内(施設内)感染対策の充実と徹底を期待する。
著者
関連論文
- 川崎市の結核対策 : DOT事業推進を起点として
- 0歳児結核における肺好発部位 : 胸部造影CT検査による検討
- 新宿区保健所における結核対策 : DOTS事業の推進と成果
- 新宿区内の全結核患者に対するIS6110 RFLP分析の実施と評価 : 接触者健診への応用の可能性について
- 日本の結核蔓延に関する将来予測
- 日本の慢性排菌結核患者におけるMDR-TB・XDR-TBの薬剤感受性試験結果
- 高齢者施設における結核発病実態
- サイアセタゾンが有効と思われた多剤耐性肺結核症例の1治癒例
- 青中年期結核罹患率の地域差に関する研究
- 高齢者結核の疫学的検討
- 結核治療における維持期週2回間欠療法の治療終了2年後の再発について
- 結核治療成績の新コホート判定方式に影響を与える因子の検討 : 病院入院患者のコホート分析から
- 駅周辺の不特定多数利用施設を中心とした結核感染 : 都市結核問題の観点より
- 就業状況別結核罹患率の推定と背景の検討
- 病理剖検輯報を用いた近年(1999-2004)の結核死亡例の診断精度の検討
- イソニアジドによる潜在性結核治療での肝障害以外の副作用
- 職場の結核の疫学的動向--看護師の結核発病リスクの検討
- イソニアジドによる潜在性結核治療の肝障害
- 結核発生動向調査結果を用いた地域DOTSの効果の評価
- 結核化学療法における維持期週2回間欠療法の効果と副作用
- 新たな学校結核健診導入による小児結核発見への影響
- 多剤耐性結核の耐性化過程の検討
- 老人保健施設入所者の結核対策 : リスクマネージメントの視点で
- 大都市の結核対策
- 結核サーベイランスから見た職場の結核の疫学的動向
- 患者管理の評価 : コホート調査による治療成績の評価
- 結核検診の現状と課題
- I-6 結核予防会における肺癌検診の精度管理(第16回 肺癌集検セミナー)
- 在日外国人結核症の細菌の疫学動向
- 在日外国人結核患者登録台帳を用いた患者管理の一試行
- 病型別にみた高齢者の菌陽性肺結核罹患率の季節変動について
- 関東地区における高齢者の菌陽性肺結核罹患率の季節変動と気象要因との関係
- 関東地区における高齢者の菌陽性肺結核罹患率の季節変動ならびに気象要因との関係について
- 都道府県別結核罹患率の将来予測
- 結核登録除外者の分析
- 受診歴別老健法による肺癌検診発見肺癌患者の特徴
- 大都市の結核対策
- 中高年齢者に対するイソニアジドの結核発病予防 : 方法論の検討と副作用への対応
- 服薬支援活動の評価
- 再発結核における薬剤耐性
- 結核統計資料 : その1. 性, 年齢階級別結核患者届出率の年次推移
- 分子疫学先進国の状況 : オランダの結核菌情報システムを中心に
- 青中年期結核罹患率の地域差に関する研究
- 疫学の課題 : モデルから見た結核疫学の話題
- 日本における結核必要病床数算定についての検討
- 老人保健施設における結核の早期発見に影響する要因
- BCG接種の有効性と全体的効果
- 関東地区における高齢者の菌陽性肺結核罹患率の季節変動と気象要因との関係
- 中・高年齢者 結核検診での発病状況と予防対策
- 12. 気管支リンパ節瘻を呈した肺門リンパ節結核の 1 例(第 61 回日本気管支学会関東支部会)
- BCG接種副反応としての皮膚病変の最近の傾向
- 地域別肺結核患者の薬剤耐性率結果における結核サーベイランスシステムの有用性の検討--薬剤耐性率の代表性の観点から
- 接触者検診の実態と評価の方法
- 血液透析病院で発生した多剤耐性結核の事例
- 川崎市の結核対策 : DOT事業推進を起点として
- 東京都における最近の結核の再発例の現状について
- 結核サーベイランスから見た職場の結核の疫学的動向
- 高齢者結核の動向 : 患者発見の状況と課題
- BCG接種副反応としての皮膚病変の最近の傾向
- 第68回総会シンポジウム : III. 肺結核症の変貌
- 愛知県における世代間結核感染 : 290クラスター701名の結核患者に関する疫学的研究
- 高齢者施設における結核発病実態
- 職場の結核の疫学的動向 看護師の結核発病リスクの検討
- 地域別肺結核患者の薬剤耐性率結果における結核サーベイランスシステムの有用性の検討 : 薬剤耐性率の代表性の観点から
- 集団感染事例における初発患者の職業の影響
- 就業状況別の在留外国人結核の推移とその背景
- 近年における小中学校生の結核発生状況の検討
- 高齢者結核の動向 : 結核サーベイランスより
- 結核サーベイランス情報からみた薬剤耐性結核患者の背景
- 新宿区保健所におけるリスクアセスメント表を用いた服薬支援
- 乳幼児期の結核発症予防策の現状について
- Commemorative Lecture of Receiving Imamura Memorial Prize
- ホームレス"青空DOTS"の意義 : 治療困難事例への路上におけるDOTSの経験