軽イオンビームを用いたDD慣性核融合における爆縮臨界速度の温度依存性について
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概要
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本研究は軽イオンビーム慣性閉じ込め核融合において, 重水素のみからなる中空燃料球を爆縮してDD反応にまで導びこうとする場合におけるその爆縮の最終速度, 燃料のプレヒート温度との関係を, 数値計算によって導びいたものである。<BR>数値計算にあたっては, 当研究室で開発された球対称一次元流体コード「Mt.Fuji」が用いられた。<BR>数値計算の結果によれば, この爆縮臨界速度 (ローソン条件を満足する為に必要な, 爆縮の最終速度の最小値) は, プレヒート温度 (燃料球の爆縮直前の温度) に鋭く依存し, 例えば, プレヒート温度が1000Kの場合, 1×10<SUP>8</SUP>cm/S以上, また, 10Kの場合, 3×10<SUP>7</SUP>cm/Sとなる。またプレヒート温度が5000Kを越えるとあとはいくら速度を増しても, DD反応に必要な充分な密度にまで, 燃料球を圧縮できそうにないことが導びきだされた。<BR>そしてさらに, ある速度, 温度を与えて燃料球を爆縮した場合, 圧縮された燃料球の最高密度及び最高温度を予想するための近似式を導びきだすことができた。<BR>最後に, 爆縮最終速度とプレヒート温度を一定としたまま, DD標的の構造を変えてその効果を調べている。
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