培養条件によるCampylobacter jejuniとCampylobacter coliの形態変化とそれに伴う菌体組成の比較
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概要
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Campylobacter jejuniおよびCampylobacter coliらせん状桿菌の球形への形態変化について,その条件,電子顕微鏡観察,および成分分析を行った。カンピロバクター桿菌の球形化は液体培地を用い,微好気性の条件で培養した場合,48時間目には約半分,72時間目では約90%が起こった。90%以上がらせん状菌の菌液をPBSに晒し,24時間後観察すると,高温(37Cおよび42C)と好気的条件が球形化を促した。電子顕微鏡による観察では,らせん状菌は染色液で濃く染まってしっかりした形態を示していたが,球形化菌は薄く染まっており,エンベロープが脆弱に思われた。両形態共鞭毛を持っていた。成分の違いは化学分析とSDS-PAGEで比較したが,らせん形から球形への移行時(48および72時間)にはLPSもタンパク質も多いが,96時間になると両者とも減少した。さらに,初期(24および48時間)に存在していた33Kと28Kポリペプチドの含量は後期(72および96時間)には減少していった。
- 日本細菌学会の論文
著者
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天野 憲一
秋田大学医学部実験実習機器センター
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天野 憲一
秋田大学バイオサイエンス教育・研究センター
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柴田 淑子
秋田大学医学部泌尿器科学講座
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柴田 淑子
秋田大学医学部附属実験実習機器センター
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笠原 由美子
秋田大学医学部附属実験実習機器センター
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天野 憲一
秋田大学医学部
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天野 憲一
秋田大学医学部附属実験実習機器センター
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