Campylobacter jejuni Lior血清型標準株と臨床分離株から得られたLPSのSDS-PAGEによる分子量の比較
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
主要な食中毒原因菌であるCampylobacter jejuniの血清型別に用いられているLior血清型標準株30株及び臨床分離株17株の持つLPSの分子量を比較するために,SDS-PAGEで泳動し,銀染色を行った。その結果,使用した全菌株のLPSは腸内細菌のR変異株のLPSと同様に低分子領域に1本のバンドとして泳動されており,高分子領域に階段状のバンドは示されなかった。Salmonella minnesota R変異株のLPSとの比較で,C.jejuniのLPSは3900∼5300の間の分子量を示した。同一血清型の臨床分離株との比較では,8種類の血清型を比較した中で,2種のみが標準株と臨床株のLPSの移動度が一致しており,他の6種は異なっていた。この結果より,Lior血清型別で分類された臨床株は標準株のLPSとは必ずしも同一のLPSを持っていないことが明らかになった。この事実は,以前から言われているLior法とPenner法の間には関連性がないことを支持する結果となった。
- 日本細菌学会の論文
- 1995-04-25
著者
-
天野 憲一
秋田大学医学部実験実習機器センター
-
天野 憲一
秋田大学バイオサイエンス教育・研究センター
-
柴田 淑子
秋田大学医学部泌尿器科学講座
-
京野 かおり
秋田大学医学部附属実験実習機器センター
-
柴田 淑子
秋田大学医学部附属実験実習機器センター
-
天野 憲一
秋田大学医学部
関連論文
- ヒト血液型 Lewis 抗原を介したヒトとピロリ菌のクロストーク : ピロリ菌は病原菌なのか常在菌なのか
- Helicobacter pyloriリポ多糖の構造と血清学的特異性
- Wei1-Felix反応では診断されなかった日本紅斑熱患者血清の免疫学的性質
- Ec-LPSアレイを用いた散発下痢症患者の大腸菌O血清群診断
- APP-030 膀胱癌におけるHIF-1α遺伝子多型の臨床的意義(総会賞応募ポスター,第94回日本泌尿器科学会総会)
- Campylobacter jejuni Lior血清型標準株及び臨床分離株DNAのRFLPによる比較とプローブによるDNAの特異的検出
- ヘリコバクター・ピロリ感染機序の分子生物学・研究集会報告 2 Lewis抗原を介したH. pyloriと宿主とのクロストーク
- Weil-FelixにおけるリケッチアLPSとプロテウスLPSの共通抗原性
- Helicobacter pyloriの病原因子 : 特にエンドトキシン(LPS)について
- Ec-LPSアレイを利用した溶血性尿毒症症候群患者の大腸菌O血清群診断
- Escherichia coli O103 O-antigen polymerase遺伝子(wzy)を標的としたE, O103 抗原特異検出PCR診断法の確立
- Campylobacter jejuni集団下痢症原因菌株の分子疫学的多型ならびに血清型別による解析
- 非ウイルス性感染症 ツツガムシ病リケッチア (広範囲 血液・尿化学検査 免疫学的検査(第7版・3)その数値をどう読むか) -- (免疫学的検査 感染症関連検査(抗原および抗体を含む))
- Campylobacter jejuni Lior血清型標準株と臨床分離株から得られたLPSのSDS-PAGEによる分子量の比較
- 培養条件によるCampylobacter jejuniとCampylobacter coliの形態変化とそれに伴う菌体組成の比較
- ハタハタ (Arctoscopus japonicas) 卵塊からの新規粘性タンパク質の分離
- 非ウイルス性感染症 Weil-Felix反応 (広範囲 血液・尿化学検査 免疫学的検査(第7版・3)その数値をどう読むか) -- (免疫学的検査 感染症関連検査(抗原および抗体を含む))
- 特集『胃腸疾患における Helicobacter pylori の役割』企画にあたって
- Helicobacter pylori の病原因子 : 特にエンドトキシン(LPS)について