グラム陰性菌に対する糖尿病マウスの感染性の増強について
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概要
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実験的alloxan糖尿病マウスを作製し,各種グラム陰性桿菌の感染性について検討した。腹腔内感染においては,ムチン添加および無添加で検討したが,いずれの供試菌の場合も顕著な糖尿病マウスの易感染化は認められなかつた。しかしながら尿路および肺感染においては,糖尿病マウスは正常マウスに比べて感染性の高いことが分かり,特に尿路感染ではProteus mirabilisおよびSerratia marcescensが,肺感染ではKllebsiella pneumoniaeを用いた場合に顕著であつた。易感染化因子として白血球およびマクロファージ機能について検討したが,両食細胞のchemotaxis能およびマクロファージの貪食能が,糖尿病マウスでは正常マウスに比べて低下していることが認められた。以上の結果,糖尿病マウスの易感染化は菌種,感染ルートにより若干差異があることが分かつた。
- 日本細菌学会の論文
著者
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西野 武志
京都薬科大学微生物学教室
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西野 武志
京都薬科大学 微生物学教室
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西野 武志
京都薬科大学 微生物
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尾花 芳樹
Microbiological Research Institute Of Otsuka Pharmaceutical Co. Ltd.
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尾花 芳樹
京都薬科大学
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谷野 輝雄
京都薬科大学微生物学教室
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西野 武志
京都薬科大学
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