Babesia gibsoni接種犬の血清抗体価と貧血・原虫血症の推移
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概要
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Babesia gibsoni (B.g)の感染血を健康犬14頭に接種したところ,全頭に貧血など本病特有の症状が発現し,内4頭が死亡した。耐過生存した10頭の間接螢光抗体(IFA)法により測定した血清抗体価(IFA価)は,3∼4週で3,200倍,2ヵ月で12,800倍以上となり,貧血は3週で赤血球数が70%に減少し,赤血球内原虫寄生率は7%となつたが,以後漸次回復した。一方,死亡した4頭の接種後3週のIFA価は80∼800倍で以後顕著な上昇はみられず,赤血球数は25%に減少,強度の貧血がみられ,寄生率は15%になつた。IFA価12,800倍以上の耐過犬2頭に感染血を再接種したところ,貧血はみられず,寄生率も最高0.2%と低く,2週以降消失した。したがつて高い血清抗体価の維持は感染防御に有効であると思われた。また,B.g不活化抗原を作製し,健康犬に3週間隔で2回皮下注射し,IFA価の推移を検討したところ,最終接種後3週で高いものでも800倍までしか上昇せず,感染血の攻撃後,IFA価は急上昇し,一過性の貧血,赤血球内原虫寄生は認められ,感染は防御できなかつたが,対照群に比較し発症は軽減された。
- 日本細菌学会の論文
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