マウス・トランスファーファクターの調製とその性状
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
マウスのトランスファーファクターの分離・精製とその諸性質について調べた。ヒツジ赤血球またはメチル化ウシ血清アルブミンで感作されたマウスの脾細胞を破砕し,透析性のトランスファクター(TFd)を調製した。1×107個以上の脾細胞に相当するTFdの移入により,遅延型アレルギー反応の受身伝達が可能であつた。しかし,その程度は感作脾細胞の移入によつてみられるものより弱かつた。Sephadex G-25を用いたゲル〓過によりTFdは5分画(Fr1∼Fr5)に分かれ,第3番目のピークであるFr3にもつとも強い活性が認められた。さらに,PEI-セルロースを用いた薄層クロマトグラフィーにより,TFdには少なくとも2種の成分が含まれていた。TFdに含まれる活性成分の分子量は3,500ダルトン以下であり,nuclease P1処理により部分的に失活し,90C, 15分間の熱処理によつて完全に失活した。しかし,DNase, RNaseおよびprotease処理により失活しなかつた。
- 日本細菌学会の論文
著者
関連論文
- 漢方方剤"補中益気湯"の骨髄障害防御作用と感染防御効果
- 薬用植物成分による実験的エンドトキシンショックの制御
- 内毒素の活性中心(リピドA)の研究 : 化学構造と生物活性相関の観点から
- マウス・トランスファーファクターの調製とその性状
- 当帰の多糖の研究(III) : 産地の異なる当帰由来の多糖成分の化学的性状と生物活性