ブドウ球菌の耐塩機構の解析 : 高塩環境下におけるエネルギー代謝との相関性
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概要
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Staphylococcus aureusの耐塩性の機構を解明するために生理的食塩濃度環境下(0.1M NaCl)と高濃度食塩環境下(1.8M NaCl)での菌のエネルギー代謝系の特性について検索した。高塩濃度下では増殖の抑制とともに酸素消費量が抑制され,ピルビン酸キナーゼの活性の上昇がみられた。菌体から細胞膜を分画・精製し,その呼吸活性,チトクローム含量,ATPase活性について検討し,さらにSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によりその構成タンパク組成の変動を検索したが,生理的条件下と高塩濃度下で著明な変化は認められなかつた。このことはS. aureusは高食塩環境下においても,生理的食塩濃度下とほとんど同形式のエネルギー代謝が行われており,菌体内の浸透圧調節に直接関与する特殊なエネルギー代謝機構は膜には存在しないことが明らかになつた。
- 日本細菌学会の論文
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