冷却水入口温度の復水器真空に及ぼす影響について
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概要
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最近, 蒸気タービンはペルシャ湾航路を専用するタンカー船に装備されることが多い.しかし, この航路では復水器の冷却水として使用される海水の温度が, 普通設計値として使用される冷却水入口温度24℃よりもはるかに高く, したがって, 通常用いられる設計真空722mmHgを維持することが困難であるように思われる.<BR>筆者は復水器の蒸気側および水側に従来から使用されている熱伝達の式を用い, 熱貫流率を冷却水流速および冷却水温度の函数として表示した近似式を求め, これを適用して冷却水入口温度と復水器真空との関係式を導き, 実船における実測値と比較検討した.<BR>これらの結果によれば, 復水器で実際に到達しうる真空は冷却管の汚れ, したがって熱貫流率の低下や, 循環比, 伝熱面積などによって制限をうけ, 冷却水入口温度によって決まる最高真空よりもはるかに低い値となり, 現用の循環比の範囲内では, 従来から採用されている設計真空よりも低い.したがって, 高温水域を航行する船舶では, あらかじめその予定航路に適した復水器真空で設計することが望ましい.
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