歯質抵抗性判定のためのほうろう質リン定量法: 原法による生体歯牙での応用 : 歯質耐酸性測定法シリーズ II
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概要
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生体歯牙について歯質耐酸性を判定するため, 竹内・川崎によつて開発された, いわゆるAgar plate法の臨床的応用の術式を検討するため, この研究を行なつた。<BR>実験に用いたAgar plateは, pH4.5の0.1M乳酸・乳酸ナトリウム緩衝液による直径6.5mm, 厚さ2mmの円形寒天平板で, これを上顎中切歯唇面に一定時間包摂したのち, Agar plate中に溶出したリン量をモリブデン酸・サフラニン法で定量した。<BR>小学校第4学年男女児童1036名中から無作為に抽出した49名および317名に対し, 前者では5分間, 後者では3分間・前記Agar plateの包摂を行なつたところ, そのリン溶出量は, 前者では平均1.87μg, 標準偏差0.39μg, 後者では平均1.60μg, 標準偏差0.38μgの何れもほぼ正規型の分布を示した。この結果から, いわゆるAgar plate法はヒトの歯質の耐酸性の強弱の判定に利用し得る可能性を示すものと考えられよう。<BR>別に, 20歳前後の女子6名の上顎左右側中切歯唇面について, Agar Plateを同一歯ごとに1, 2, 3, 4, 5分間包摂して測定したところ, リン溶出量は, 各歯牙の耐酸性の大小にかかわらず包摂時間が長くなるにつれて増加した。したがって, 本法で用いているリン定量法の精度, 検出限界および包摂時間の計時誤差ならびに被測定者の負担をあわせ検討し, 包摂時間は3分間でよいと判定した。
- 有限責任中間法人 日本口腔衛生学会の論文
著者
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川崎 徹
東北歯科大学
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長島 〓
財団法人ライオン歯科衛生研究所研究部
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馬場 久衛
財団法人ライオン歯科衛生研究所研究部
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馬場 久衛
財団法人ライオン歯科衛生研究所
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川崎 徹
東北歯科大学口腔衛生学教室
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