歯質抵抗性判定のためのほうろう質リン定量法: いわゆるAgar Plate法ならびに本法とWindow法との相関 : 歯質耐酸性測定法シリーズ I
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概要
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竹内は齲蝕発病に関係する多様の因子を環境因子とHost因子に大別し, かつこれらを総合して数量的に示したいわゆる疫学的齲蝕発病理論式を確立した。この式におけるHost因子のひとつである歯質の耐酸性を, 生体歯牙について比較的簡易に判定するための方法を考案した。<BR>これは, pH4.5の0.1M乳酸・乳酸ナトリウム緩衝液を用い, 厚さ2mm, 直径6.5mmの円形の寒天平板を作成し, これを研摩清掃した表層ほうろう質から溶出してくる微量のリンをモリブデン酸・サフラニン法によつて定量しようとするものである。<BR>抜去埋伏智歯100歯について, このいわゆるAgar plate法を行なつたのち, 同一歯面を再び研摩清掃後, 4×4mm角のWindow法により, pH4.5の0.1M乳酸・乳酸ナトリウム緩衝液10ml中で37℃において, 5分間および30分間それぞれ振り混ぜながら放置し, リン溶出量を定量した。その結果, Agar plate法では平均1.00μg, 標準偏差0.38μgのほぼ正規分布を示した。Window法5分値と30分値は, 著しい左傾的な分布を示したが, Agar plate法とWindowとの相関係数は5分値, 30分値ともそれぞれ高い値を示し (γ=+0.570, γ=+0.645) たので, Agar plate法の有用性が示唆された。
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