カーボンブラック表面における遊離ラジカルの競争反応
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
カーボンブラックの存在下で, 14C-標識をもつメチルアルコールと過酸化ベンゾイル (Bz2O2)との反応を50°Cで行なった. 実験の結果によると, ベンゾイルオキシラジカル (BzO•) とメチルアルコールとの反応で生成する溶媒ラジカルがBzO•に優先してカーボンブラック表面に結合することが確かめられた. ここに, Philblack Oを例にとると, 1gのカーボンブラックに結合した溶媒ラジカルは3×1019個であった. このような現象は, ベンゼンや四塩化炭素を溶媒に用いた系, すなわち, カーボンブラック表面へEzO•が選択的に結合する反応とは趣の異なることを示す.一方, スチレンや酢酸ビニルを用い, カーボンブラックの存在下における重合反応を調べたが, 重合開始剤として挙動するBz2O2と2, 2′-アゾビスイソブチロニトリル (AIBN) とは, その作用効果に著しい差違があった. 一般に, AIBNの系では, カーボンブラックの有無にかかわらず, 重合速度はほぼ同じであったが, Bz2O2の場合には, 顕著な遅延現象が見られ, カーボンブラック表面における異種ラジカルの競争反応の起こることを示した.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文
著者
関連論文
- ブチルリチウムを用いるカ-ボンブラック粒子表面へのメタクリル酸エステルのグラフト重合
- カ-ボンブラック・ブチルリチウム複合体によって開始されるカラ-ブラック表面へのグラフト重合
- 過酸化ジクミルによって網状化されたカーボングラック・ポリマ複合体の電気的特性
- ポリn-アルキルメタクリル酸エステルをポリマー成分とするカーボンブラック・ポリマー複合体の電気的性質
- エポキシ樹脂によって網状化したカーボンブラック・グラフトポリマーの電気的特性
- 面状発熱体 (導電性高分子材料とその応用)
- 過酸化物-ジビニルモノマー系によって鋼状化されたカーボンブラック・グラフトポリマーの電気的特性
- カ-ボンブラックと過酸化ベンゾイルとの相互作用で開始されるメチルメタクリラ-トの重合
- カーボンブラックへのグラフト重合
- カーボンブラック存在下で起こる過酸化ベンゾイルによるエチレングリコールの酸化反応 : カーボンブラック粒子表面における反応 (第6報)
- カーボンブラック存在下におけるビニルモノマーの重合反応
- 網目構造をもつカーボンブラック•グラフトポリマー
- カーボンブラック表面における遊離ラジカルの競争反応
- 高ストラクチャーをもつカーボンブラックに対する二, 三の知見 : バウンドラバーの形成に関する研究 (第1報)
- カーボンブラック・グラフトポリマー (第2報) : カーボンブラック粒子表面からのグラフトポリマーの生成
- カーボンブラック粒子表面の化学とゴムの補強
- カーボンブラック粒子表面における遊離ラジカル反応点の数について
- アセトンとアルコール中におけるカーボンブラックと過酸化ベンゾイルとの反応
- ベンゼン中におけるカーボンブラックと過酸化ベンゾイルとの反応
- 粉体表面からのグラフトポリマー
- カーボンブラックのグラフト化
- カラ-ブラック表面へのメタクリル酸メチルのアニオングラフト重合中に生成するゲルのN,N-ジアルキルホルムアミドの調整剤としての効果
- ブチルリチウムを用いるカ-ボンブラック表面へのスチレンおよびメタクリル酸メチルのグラフト重合
- カ-ボンブラック表面へのN-ビニルカルバゾ-ルのグラフト重合
- カ-ボンブラック粒子表面の酸素含有基とスチレンの熱重合〔カ-ボンブラック粒子表面における反応-8-〕
- フタリル•ポリペルオキシドによるビニルモノマーの重合反応
- タイトル無し