アミン系酸化防止剤と酸素 : BR, IRの劣化と安定化に関する研究 (第6報)
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概要
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アミン系酸化防止剤と酸素との反応性について検討するため, 最も端的にその情報が得られる熱重量分析法を用い, 酸化防止剤を空気中と不活性ガス中とで熱分解し, そのサーモグラムの比較より, 空気中ではほとんど酸化分解してしまうが, 不活性ガス中では一部分解, 大部揮散することがわかった.しかし酸化防止剤自身を比較的低温下におけるベンゼン溶液中で, 直接酸素による影響を分子量, 赤外線スペクトル, 紫外線吸収スペクトル, および屈折率などよりその変化を調べた結果, ANA, PBNA, DPPDなどは, 何らかの変化がちると推察された.しかし二量体の生成は認められなかった.また上記のようにして酸化処理された酸化防止剤をゴムーベンゼン溶液に添加し, その溶液を酸素の吹込みによって酸化し粘度低下よりゴムに対する影響を調べたが, ほとんどの酸化防止剤は新品のものとほとんど変化はなかった.しかしPBNAはとくに粘度低下が早く, ゴムの酸化を促進する可能性があるのではないかと推察された.
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