アゾ基を導入したカーボンブラックおよび炭酸カルシウムとゴムとのグラフト反応

概要

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カーボンブラックや炭酸カルシウム表面へ導入したアゾ基の熱分解で生成した, 粒子表面のラジカルとジエン系ゴムとのグラフト反応について検討した. トルエン溶媒中で, 未処理のカーボンブラックや炭酸カルシウムをジエン系ゴムとともに加熱しても, 粒子表面へのゴムのグラフトは, ほとんど認められなかった. これに対して, トルエン中でアゾ基を導入したこれらの粉体をジエン系ゴムとともに加熱すると,粒子表面へ対応するゴムが効率よくグラフトすることがわかった. また, 反応温度を高くするほど, グラフト反応が促進されることも明らかとなった. このような結果は, アゾ基の熱分解でカーボンブラックや炭酵カルシウム表面に生成したラジカルとジエン系ゴム分子中の不飽和結合とが反応していることを示唆している. さらに, このようなグラフト反応系ヘスチレンを添加すると, グラフト率が増加することもわかった.また, ゴムをグラフトしたカーボンブラックは, ゴムの良溶媒中へ長期間にわたり, 安定に分散することも見い出した.
社団法人日本ゴム協会の論文