ラジカル反応によりカーボンブラック表面へ導入した官能基からのグラフト重合
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概要
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官能基の少ないファーネスブラックやアセチレンブラック表面へのカルボキシル基の導入及びこれを足場とするポリエステルのグラフト反応について検討した. その結果, ファーネスブラックやアセチレンブラックをベンゼン中で4,4-アゾビス(4-シアノペンタン酸) (ACP) で処理すると, ACPの熱分解で生成する4-シアノペンタン酸ラジカルが粒子表面へ結合し, カルボキシル基が導入できることがわかった. ついで, このカルボキシル基を水酸化カリウムで処理することにより, カルボン酸カリウム塩(-COOK)残基を導入したファーネスブラックやアセチレンブラック表面でエポキシドと環状酸無水物とのアニオン開環交互共重合が開始され, 粒子表面へ対応するポリエステルが効率良くグラフトすることを見出した. 更に, 重合速度及びグラフト率はCOOK基導入量の多いカーボンブラックほど大きくなることや, 重合系へ18-クラウン-6を添加すると重合反応が促進されることがわかった. また, このような重合系で得られるポリエステルグラフトカーボンブラックは有機溶媒中へ長時間にわたって安定に分散することも明らかにした.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文
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