ポリエステルタイヤコードのタイヤ中での劣化について
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概要
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ポリエステルタイヤコードの疲労現象を解明するために, 走行後のバイアスタイヤ及びラジアルタイヤからコードを取り出し強度の保持率, 重合度, 分子鎖末端, 及び結晶構造について検討した. 繊維の疲労モードはバイアスタイヤとラジアルタイヤとでは異なり, バイアスタイヤにおいては化学的な劣化による重合度の低下がショルダー部の繊維強度の低下を引き起こしているのに対し, ラジアルタイヤでは構造劣化による疲労がビード部の繊維強度の低下を引き起こしていることが明らかとなった.タイヤにおける動的疲労におけるポリエステルタイヤコードの重合度の低下とカルボキシル基末端量の関係からは, 80%の劣化が加水分解により発生していることが認められた. これは静的なゴム中での熱劣化の場合と同じであり, タイヤ中でのポリエステル繊維の疲労による分子鎖の切断の機構は, 熱劣化の場合と同じであると推定された.
著者
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