ビニル基含有ポリシロキサンとEVAのメカノケミカル反応
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概要
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メチルビニルシロキサン含有シロキサンガムストック(試料名WGS)とEVAとを加熱混練したところトルクが上昇し, クロロホルムにに不溶のゲル成分を大量に含みながら溶融流動性を示す混練物が得られた. 同一条件でジメチルポリシロキサンとEVAあるいはWGSとポリエチレンの組合せを加熱混練してもトルクの上昇が見られなかったことから, WGSとEWAの間にメカノケミカル反応が起ったものと推測される. 動的粘弾性測定, FTIR測定などの結果から, この反応物はEVA相が連続相を構成し, ポリシロキサン相が非連続相を構成する相分離構造を形成し, ポリシロキサンのほとんどが架橋しており, また, 一部のEVAとポリシロキサンとの間に結合が生じているものと思われる. この混練物はポリシロキサンの網目構造を含みながら流動性を示すという Arkles らの“Pseudo-Interpenetrating Network”の概念に近いものと考えられ, 熱可塑性エラストマーとしての性質を有している.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文
著者
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箱崎 順一
日本ユニカー(株)川崎工業所
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瀬沼 昭高
日本ユニカー
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長井 利之
日本ユニカー株式会社樹脂技術研究所
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林 昭夫
日本ユニカー株式会社樹脂技術研究所
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塚田 喜六
日本ユニカー株式会社樹脂技術研究所
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