ポリエチレンのレジリエンス
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概要
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結晶性高分子物質の粘弾性をしらべる目的で, ポリエチレンのレジリエンスをダンロップ•トリプソメーターによって, 広い温度範囲で測定した. 低密度ポリエチレンでは, β吸収は-20°Cに, α吸収は60〜75°Cにみられた. 高密度ポリエチレンでもβ吸収はみられたが, α吸収は消失した. 低密度ポリエチレンのα, βおよびγ転移の見掛けの活性化エネルギーとして, それぞれ64, 37および11kcal/molをえた. これからセグメントの大きさを推定し, γ転移は無定形の短いポリメチレン鎖の, β転移は分岐約1個を含むセグメントの, α転移は結晶融解による更に長い分子鎖の運動解放に対応するとした. また活性化エネルギーや転移温度に差がないことから, 粘弾性転移と誘電転移は同一起源機構にもとずく緩和現象であると推論される.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文