醤油原料蛋白質中の酸性アミノ酸残基の形態について
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概要
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(1) 醤油原料蛋白質の代表的なものとして,大豆グルテリン及び小麦グルテンを選び,赤堀のヒドラジン分解法を用い,その酸性アミノ酸残基のω-カルボキシル基の状態を調べた. (2) 大豆グルテリン,小麦グルテンの酸性アミノ酸残基は大部分アミド態等の結合型で,グルタミン酸残基については前者の73%,後者の94%,アスパラギン酸残基については前者の78%,後者の74%がそれぞれグルタミン,アスパラギン等のアミド態又はγ-グルタミルペプチドのごときペプチド態として存在する事が明らかになった(但し本報ではアミド態とペプチド態の分別定量は行っていない).本実験に用いた大豆グルテリン試料はその調製時にO.5N苛性ソーダ抽出の操作があるので,その間にアミドの加水分解が一部行われている可能性がある.従ってここに報告したアミド態含有率は,大豆グルテリン中のアミド態含有率の最少値を示す. 以上の事実は,醤油中に多量に存在するピログルタミン酸がグルタミンから由来する事を裏書きするものである.
著者
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