ニコチンの熱水溶液中における変化について
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概要
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(1) l-ニコチンのラセミ化は塩の水溶液を加熱することにより進行するが,塩酸塩は硫酸塩,酢酸塩に比べて効果が少なくない,そしてdd-酸との塩を加熱する方が効果的に進行する. (2) lニコチンの塩を200°で加熱すると,分解物として樹脂状物質のほかにノルニコチン,ジヒドロメタニコチンなどのC-N結合の切断した飽和体を主に生成する.酢酸塩ではそれらのアセチル体を多量に生成する. (3) 生成したノルニコチンはニコチンより旋光性が高いことから,生成ノルニコチンはニコチンよりも加熱によるラセミ化は受けにくいものと考察される.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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