還元的可溶化羽毛ケラチンの基礎的性状について
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概要
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還元的可溶化羽毛ケラチンの可溶化生成物の溶解性,およびその物理化学的性質について検討し,以下の結果をえた. (1) 羽毛ケラチンの溶解性に及ぼす各種溶媒のpHの影響に著しい変化がみられた. 2-メルカプトエタノール(0.1M)-尿素(10M)-トリスアミノメタン(0.05M)溶液では, pH 3〜4においても溶解性の著しい増加が認められた.ケラチンの不溶化にSS結合,水素結合および疎水結合の寄与が考えられる. (2) 還元的可溶化羽毛ケラチンの可溶化生成物は,ディスク電気泳動的に移動度を異にする少なくとも4〜5個のコンポネントを有することがわかった. (3) 可溶化生成物はSephadex G-200ゲル濾過, SDSゲル電気泳動および超遠心沈降分析の結果から,分子量10,000程度の成分が主要なものであり,他にその会合体と思われる分子量30,000程度の成分および,きわめて会合度の大きい成分より構成されているものと考えられる.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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