甘茶エキスの成分分析
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概要
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甘茶エキス中のアミノ酸,糖,アミノ酸-糖化合物,不揮発性有機酸,粗灰分の分析と,甘茶エキスおよび甘茶乾葉ベンゼン抽出物中よりのフィロズルチン,ヒドランゲノールおよびヒドランゲノールモノメチルエーテルの単離と同定を行なった. 上記5項目の分析結果は果汁エキスと比較して, 1) 全糖のエキス中に占める割合は小さく,全糖中の構成成分の数は多い. 2) 不揮発性有機酸としてリンゴ酸,クエン酸以外に未同定の物質が少量ずつ存在している. 3) 分析された5項目の成分が,エキス乾物中に占める割合は小さい. ヒドランゲノールとそのメチルエーテルは,甘茶からはじめて単離されたもので,甘茶の甘味成分であるフィロズルチンと炭素骨格が全く同じイソクマリン誘導体である. 甘茶成分のうち中骨特有のにおいを抑制する効果をもつと考えられるものは,試喫の結果によれば現在のところフィロズルチンのみである.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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