HELLP症候群9例の臨床像の検討 : −分娩前発症HELLP症候群と産褥期発症HELLP症候群の臨床比較検討−
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概要
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HELLP症候群(以下HELLPとする)は,溶血(hemolysis),肝酵素の上昇(elevated liver enzymes),血小板減少(low platelets)を呈する多臓器障害をきたす母体疾患である.発症時期,とくに分娩後の発症例(postpartum HELLP syndrome:産褥期発症HELLP)と分娩前発症HELLPとを比較検討した臨床研究は海外の報告を含め稀少である.本臨床研究では,過去7年間の間に経験したHELLP症候群9例の臨床像を後方視的に検討し,発症時期の比較,重症度,治療法についての検討・考察を行った.9例のうち,分娩前発症HELLPは6例(66.7%),産褥期発症HELLPは3例(33.3%)であり,全例が妊娠高血圧症候群を合併していた.分娩様式は全例が帝王切開分娩であった.臨床検査値において,GOTのみ産褥期発症HELLPの方が分娩前発症HELLPに比し有意に高値であった.血小板数およびLDHについては発症時期による差はなかった.急性肺水腫,急性腎不全,大量腹水貯留などの重篤な母体合併症は,産褥期発症HELLPでのみ発症した.産褥期発症HELLPは分娩前発症HELLPに比べ重症化しやすいことが示唆された.〔産婦の進歩63(3):284-288,2011(平成23年8月)〕
著者
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最上 晴太
京都大学大学院医学研究科器官外科学講座婦人科学産科学
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宇田 さと子
大津市民病院産婦人科
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宇田 さと子
大津市民病院
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高橋 顕雅
大津市民病院
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高橋 良樹
大津市民病院
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横田 浩美
大津市民病院
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佐竹 由美子
大津市民病院
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寺井 万里紗
大津市民病院産婦人科
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最上 晴太
京都大学大学院医学研究科器官外科学講座婦人科学産科学分野
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