醤油の褐変物質について
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概要
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(1) 醤油の褐変物質をSephadex G-25でゲル濾過したところ,溶出順にPI, PII, PIIIの3つの成分に分画された.これら3つの成分は諸味の醸造工程が進むに従い,いずれも増大したが, PIは酸化処理により, PIIIは加熱処理により顕著に増加した. (2) PIが増加すると醤油に黒色味を, PIIIが増加すると醤油に赤色味を与える傾向が見られた. (3) PIは黒野らのソヤメラニン類と同一であると考えられ, PIIIは大亦ら,三井らのFIIの主成分と同一であると思われた. PIIは不安定で純粋に分離することができなかった. (4) PIIIはSephadex G-25での溶出図では,糖-アミノ酸反応により生成された褐変物質とは,パターンが異っていた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文