ソテツ(Cycas revoluta Thunb.)の核酸分解酵素について(第3報) : ソテツ花粉細胞から塩溶液によって溶出されるリボヌクレアーゼ,フォスフォモノエステラーゼについて
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概要
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(1) ソテツ花粉細胞を破壊することなく種々の塩類溶液に浸漬するとPMaseやRNaseが溶出されるが,シュクロースやグルコースなどの非電解溶媒では溶出されないことを見出した.食塩による最適溶出濃度は0.5Mであり,その濃度では花粉から酵素は急速に溶出された. (2) 酢酸亜鉛は0.5M食塩の存在下でもRNaseの溶出をさまたげたが, PMaseは溶出させた.その作用が亜鉛イオンによるものかどうか明らかにできなかった. (3) 酢酸ナトリウムによって花粉から溶出したRNaseをDEAE-セルロースカラムクロマトグラフィー,セファデックスG-100によるゲル濾過によって部分精製を行なった.得られたRNase画分は収率37%であり, PMaseは0.03%以下にまで除去された. (4) 精製されたRNaseは,至適pHが5.7付近にあって, RNAを分解してヌクレオシド2, 3-環状リン酸および3-モノヌクレオチドを生じた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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