ビレスロイド系殺虫剤の研究(第3報) : 蚊取線香の燃焼温度分布およびアレスリンの熱挙動について
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概要
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(1) 蚊取線香における燃焼では最高到達温度は線径0.1mmの熱電対測定にて約800°Cに達することがわかり,その室温から高温に達する温度勾配が急激なため,アレスリンは揮散する以前に高温条件に接し,著しい分解を生じていることが明らかになった. (2) アレスリン,フタルスリンの熱分解に際しては酸素の影響が著しく, DTA測定において窒素雰囲気中ではかなりの安定性が示された. (3) TGA曲線によればアレスリンの揮散現象は約150°Cから開始し, DTAによればその熱分解は約240°Cから始まり,高温時では激しい酸化熱分解が認められた. (4) DSCによる揮散性測定の結果では160°C程度でのアレスリンの揮散はかなり穏やかであり,約180℃から比較的顕著であった. (5) TGA, DTA, DSCの各熱解析においてアレスリンのα-dl-trans体とβ-dl-trans体の間には顕著な相違は認められなかった.またdl-cis-trans-アレスリンも同様に前2者と差はなかった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
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京極 和旭
大正製薬株式会社総合研究所
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村山 普
大正製薬株式会社研究部
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井口 辰興
大正製薬株式会社研究部防虫科学研究室
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小柳 幸子
大正製薬株式会社研究部
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井口 辰興
大正製薬株式会社研究部
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京極 和旭
大正製薬株式会社研究部
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