Bacillus subtilisの胞子形成時におけるイオウ化合物の代謝(第1報) : 細胞内におけるイオウ化合物の消長
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概要
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Bacillus subtilisの胞子のspore coatは高濃度にイオウを含むケラチン様の硬タンパク質から構成されている.胞子の形成と関連させてこの物質の生成機作を解析するため,栄養増殖および胞子形成の各時期の細胞についてイオウのとりにみおよび細胞内におけるイオウの化合形態の変化を検討した. (1)細胞内へのSO42-態イオウのとりこみは対数増殖期に最大に達し以後急速に低下したが,胞子形成がはじまる直前に再びやや増加した. (2)とりこまれたイオウは,栄養増殖期にはその大部分が水溶性タンパク質を構成しているメチオニンとして存在するが,胞子中では主としてシステイン(シスチン)の形で, spore coatを構成する水不溶性タンパク質の中に偏在することが見いだされた.いずれの時期の細胞においても細胞内イオウの約10%は遊離アミノ酸の形で存在するが,栄養増殖の時期にはそのほとんど全部がメチオニンであり,胞子形成期以後になるとメチオニンの他に少量のシステインが現われることが明らかになった.またfore spore stageの細胞では約20%のイオウが核酸(RNA)画分中に存在していた. (3)細胞中におけるシステイン(シスチン)の総量は胞子の形成にともなって急増し,遊離胞子では栄養細胞のそれの約4倍に達することが見いだされた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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