プロピオン酸類縁物質の抗微生物作用に関する研究(第1報) : β-プロピオラクトンの殺菌機構
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概要
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β-プロピオラクトン(BPL)の殺菌作用,殺ウイルス作用の発現の機構を検討して次のごとき結果が得られた. (1)殺菌,殺ウイルス作用が認められる程度のBPL処理条件で,核酸および蛋白質がBPLと反応する. (2) BPLは核酸のグアニン塩基と反応する.反応生成物を加水分解して7-(2-カルボキシエチル)グアニル酸と推定される物質の生成を認めた.本物質は比較的不安定で,これに対応するグアノシン,グアニンの誘導体が容易に分離する傾向がある. (3) BPLは蛋白質のSH基と結合してその機能を喪失せしめるものと考えられる. BPLとシステインとから, S-(β-ヒドロキシプロピオニル)システインと推定される物質を単離した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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