茶葉サポニンの研究(第2報) : 茶葉サポニンを構成するサポゲニンと有機酸について
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概要
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(1) 茶葉サポニンを加水分解し,チャおよび,植物分類学上チャと類縁のツバキ,サザンカからはまだ単離されていないR1-barrigenolを含む3種のサポゲニンを単離,同定した.また,茶種子サポニンを構成する有機酸がアンゲリカ酸であるのに対し,茶葉サポニンではアンゲリカ酸のほかにケイ皮酸も結合していることを明らかにし,この事実から,茶葉サポニンにのみ見られた280mμにおける吸収極大の原因を説明することができた. (2) 茶葉サポニンを塩酸にて部分水解した後,TLCを利用して,一つの単一なプロサポゲニンを単離した.このものはマススペクトルなどから,barringtogenol C (theasapogenol B)にアンゲリカ酸とケイ皮酸の結合したものであることを推定した. (3) 茶種子のサポニンは1931年,青山によりTheasaponinと命名され,以後,この名称で呼ばれてきたが,茶種子と茶葉のサポニンが,その構成,性状において異なることが判明した以上,theasaponinの名称では,今後,混乱を招くおそれもあるので,両者を区別して,茶種子サポニン,茶葉サポニンと呼ぶことが妥当と考えた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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