絲状菌液内培養による蛋白分解酵素の生産に關する研究(第1報)
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概要
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1. 麹菌約80株を用いて液内培養により蛋白分解酵素の生産の良好な菌株の選擇を行い,比較的強い菌株A1-5を得た. 2. A1-5を用いて培地の窒素源,炭素源及びpHの影響を検討した. 3. Asp. oryzae K. B.の麩麹と麩を5%加えてA1-5を液内培養した場合と比較すると單位原料當り,ほぼ同程度の酵素を生産することが出來た. 4. 脱脂大豆粕醪で直接振盪培養すると窒素の溶出はかなり良好であるが,NH3-Nの生成が大である. 5. 酵素液仕込の場合,麹の10倍抽出液に比して水溶性窒素の増加は少いが,NH3-N及びNH2-Nの増加は大であつた. 6. 味噌製造に對する酵素液の利用法を考察した.この方法では蛋白質の分解も相當進み應用の可能なことを確めた. 7. 麹菌との比較のために納豆菌の蛋白分解力の強いものを選出して振盪培養法により酵素液を作成した.納豆菌の中には麹菌よりも強いものがあることが判明したので,之の利用も將來考える必要がある.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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