稲熱菌に關する生化學的研究 : (第1報)稲熱菌毒素結晶の分離及び毒素に関する考察
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
1. 稲熱菌の培養濾液より2種の毒素結晶を分離した.その1つは長柱状結晶,融点132°,分子式C6H5NO2にしてα-picolinie acidと混融して融点降下が認められず, α-picolinic acidに一致する事を確認した.他の1つは融点73°,分子式はC21H18O3N2にして水及び各種有機溶剤に易溶且つ極めて昇華性に富み,稲に対する毒性は前者よりも更に強力である.我我はこの毒素をPiricularinと命名した. 2. 稲熱罹病水稲中にα-picolinic acid並びにpiricularinの存在する事をペーパークロマトグラフィに依つて確認した. 3. 水稲品種に於いてイモチシラズの如く稲熱病に極めて抵抗性強き品種は稲熱菌毒素に対しても〓く,又逆に稲熱病に抵抗性弱き銀中,農林21号の如きは毒素に対しても極めて抵抗性が弱い事を知つた.これによつて水稲品種の稲熱病に対する抵抗性は毒素に対する抵抗性と関連する所極めて大なるものがあると考えられる.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
関連論文
- (30) いもち菌細胞表層多糖の抗原性 (昭和45年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (12) イモチ菌細胞壁の構造について (昭和43年度地域部会講演要旨(東北部会))
- (20) いもち病罹病稲の異常代謝産物クマリンの植物生育阻害作用の機構に関する研究 (昭和44年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (13) イモチ罹病稲の異常代謝産物クマリンの植物生育阻害作用の機構に関する研究 (昭和43年度地域部会講演要旨(東北部会))
- (68) いもち病に関する生化学的研究 (第25報) : いもち菌毒素無毒物質の処理によるイネのいもち病抵抗性の増強 (その2) : フェルラ酸によるイネの抵抗性増大機構の考察 (病害抵抗性(昭和37年度日本植物病理学会大会講演要旨))
- (67) いもち病に関する生化学的研究 (第24報) : いもち菌毒素無毒化物質の処理によるイネのいもち病抵抗性の増強 (その1) : フェルラ酸処理イネのいもち病抵抗性について (病害抵抗性(昭和37年度日本植物病理学会大会講演要旨))
- 稲馬鹿苗病菌の代謝生産物の一つたるFasarinic acidの植物生育阻害の機構に関する研究
- (4) いもち菌の胞子形成機構に関する研究 (I) : 胞子形成に及ぼす窒素化合物 : 特に Amide と Histamine の影響 (昭和40年度地域部会講演要旨(東北部会))
- (23) いもち罹病稲体中における毒性物質について(第3報) (昭和49年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (9) 稲熱病に関する生化学的研究 : (第17報) ピリクラリンの刺戟効果といねの組織抵抗との関連性に関する考察 (其の一) : ピリクラリン処理稲の稲熱病抵抗性 (稲の病害(昭和33年度 日本植物病理学会大会講演要旨))
- (111) いもち罹病イネ体中における毒性物質について (第2報)
- (14) いもち病罹病イネ体中における毒性物質に関する考察 (昭和47年度 日本植物病理学会大会)
- (13) いもち菌の生産する毒素について (昭和47年度 日本植物病理学会大会)
- (23) いもち菌の生産する含鉄新毒素について (昭和46年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- ピリクラリン無毒化物質の吸収によるイネのいもち病に対する抵抗性増大に関する考察
- 1. いもち菌の産生する毒素とイネの感染機構の考察 (A. 感染に関与する病原菌ならびに宿主の生産物質)
- 病原菌の代謝生理・毒素・酵素
- (79) いもち病に関する生化学的研究 第27報 : イネ細胞質タンパクのピリクラリンに対する結合性から見たイネ品種のいもち感受性の差異 (病害抵抗性(昭和38年度日本植物病理学会大会講演要旨))
- いもち病に関する生化学的研究 (第17報) : イネのいもち病抵抗性に及ぼす, いもち病菌産生毒素, ピリクラリンの影響について (その1)
- (16) 稲熱病に関する生化学的研究 : (第10報)稲熱病苗の生理化学的分類に関する研究 (其の4) (稲の病害(昭和35年度日本植物病理学会大会))
- (10) 稲熱病に関する生化学的研究 (第17報) : ピリクラリンの刺戟効果と稲の組織抵抗との関連性に関する考察 (其の二) : ピリクラリン処理稲中の胞子発芽抑制物質 (稲の病害(昭和33年度 日本植物病理学会大会講演要旨))
- (8) 稲熱病に関する生化学的研究 (第15報) : 稲熱病菌胞子の発芽機構に関する研究 (其の一, 其の二) (稲の病害(昭和33年度 日本植物病理学会大会講演要旨))
- (13) 稲熱病に関する生化学的研究 : 第11報 稲苗から稲熱病菌胞子発芽促進物質の結晶分離に就いて (稲の病害(昭和33年度 日本植物病理学会大会講演要旨))
- (140) 稲熱病に関する生化学的研究 第26報 : 稲のいもち菌毒素ピコリン酸に対する無毒化機能について (病害抵抗性(昭和39年度日本植物病理学会大会講演要旨))
- 稲熱菌に関する生化学的研究-1-
- 稲熱病菌の毒素に関する生化学的研究
- Fusarinic Acidの植物生育阻害作用の機構に関する研究-2・3-
- (4) いもち病菌の生産するセルラーゼと菌型との関係 (昭和47年度 日本植物病理学会大会)
- (14) 抗イモチ菌剤 0-0-ジエチル-S-ベンジルチオホスフェート(キタジン)の作用機構に関する研究 (昭和43年度地域部会講演要旨(東北部会))
- (10) いもち病菌のレースの生化学的研究 (第2報)
- (3) いもち病菌のレースの生化学的研究 第1報 (昭和47年度 日本植物病理学会大会)
- 稲熱病菌に関する生化学的研究 : (第2報)稲熱病菌の毒素Piricularinの稲に及ぼす生理作用に就て
- 稲熱菌に關する生化學的研究 : (第1報)稲熱菌毒素結晶の分離及び毒素に関する考察
- 稲熱病に関する生化学的研究(第22報) : ピリクラリンの分光光度計による定量ならびにピリクラリンの安定性
- 稲の生化学に関する研究(第1報) : 水稲葉の核酸に就いて
- 稲熱病に関する生化学的研究 (第19報) : いもち菌胞子の発芽機構(その1) いもち菌の産生するいねに対する毒素ピリクラリンならびにピコリン酸のいもち菌胞子の発芽に対する作用
- 稲熱病に関する生化学的研究 : (第11報) 稲から稲熱病菌胞子発芽促進物質の抽出分離に就いて
- Fusarinic Acidの植物生育阻害作用の機構に関する研究-2・3-