東北火山灰土壌中のAzotobacter : (第1報) Azotobacter indicumに類似菌株の分離とその菌学的性質
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概要
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1. 東北地方の一酸性火山灰土壤にWINOGRADSKYの土壤平板法に行い,グルコースを基質とするとAzotoacterの集落が発生することを認めた.この集落からAzotobacterを分離しその性状を検討した. 2. 採取した圃場に生育している作物と土壤平板上に生じた集落数の間に明かな連関は認められなかつた. 3. との菌は糖を含む無窒素の培地では極めて徐徐に生育する.併し振盪培養では生育を開始すると急速に生育を完了する.多量の粘質物を形成し古くなると淡褐色に色づく. pHの生育範囲はpH5〜8で酸性にたえる.又CaCO3は必要としない. Glucose, mannose, galactose, sucrose, mannitolを利用するが1actose, citrate, acetate, succinate, benzoate, xylose, arabinoseは利用しない.有機の窒素物を利用する際には生長素因子を要求するように見える.振盪培養では消費した糖lg当り8〜10mgの窒素が培地中に10日後に増加する. 4. 菌は極毛の運動性のある0.5〜0.6×1.6〜1.0μの桿菌でグラム陰性である.ヨードでは染まらない.夾膜様物質が認めちれる.胞子その他の休止形は認められない.両端又は一端に塩基姓色素に染まらない顆粒が若い培養で認められるが古くなると消失する.一般に菌は時期によつて形態を変えるように見える. 5. 以上の諸点からこの菌はA. indicumの一変株と断定し,酸性土酸中でかかる耐酸性Azotobacterの活動を考慮すべきことを論じた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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