ダイコンのすいり現象に関する研究 (第3報) : すいりにともなう細胞膜ペクチン質の変動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
根の肥大またはすいりの進行につれてペクチン含量は減少する。生組織では不溶性ペクチンが大部分を占めるが, そのうちプロトペクチンならびに中葉ペクチンのいずれの分画もすいりにともなつて少なくなる。解離剤による溶解性はペクチン酸分子の大ぎさや構造の相異を示すとともに, 細胞膜中における所在の相異も関係しているように思われる。中葉ペクチンはペクチンメチルエステルの形態で存在し, しかもプロトペクチン様の高分子であると推測された。すがはいると中葉にペクチン酸およびその塩の形態で存在する割合が多くなり, 解離剤に難溶で膜の硬化をともなつてくる。若い組織や正常組織ではペクチンのエステル化程度が高く, これはまた通道組織の分布密度の高いことを示している。これに対し, すいり組織ではペクチン質は脱エステル化され, 単位面積あたりの通道組織ないし分裂組織の数は少なくなつている。ペクチンメチルエステラーゼの活性は正常な組織において高くすいり組織では低い傾向がある。
著者
関連論文
- バラの花色発現に及ぼす温度ならびに光の影響
- ダイコンのすいり現象に関する研究 (第3報) : すいりにともなう細胞膜ペクチン質の変動
- ダイコンのすいり現象に関する研究-5-すいり程度と生長との間における相関関係
- ダイコンのすいり現象に関する研究-6-すいりに及ぼす土壌ならびに肥料の影響