Cucumis 属の種間交雑に関する研究 (第2報) : 交雑不和合組合せにおける花粉管の生長と受精および受精後の胚発生
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概要
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C. dipsaceus (♀)×C. figarei (〓) および C.dispaceus(♀)×C. melo (〓) は交雑不和合性を示すが, それらの不和合機構を明らかにするため, 花粉管の生長, 受精の有無および受精後の胚と胚乳の発育を調査し, 交配親の自家受粉におけるそれぞれの様相と比較した。1. 不和合組合せにおける花粉管の異種花柱内での生長は, 母親 C. dipsaceus の自家受粉の場合にくらべて遅く, 胚珠に達するまでの時間がかかり, 花粉管の胚珠への侵入数も自家受粉よりいちじるしく少なかつた。2. 交配親の自家受粉では, 受粉後24〜48時間目に受精し, 受粉後84時間目には胚乳は8〜16核となり前胚が分裂し始め, 6日目には胚は globular stage に達した。一方, 交雑不和合組合せにおいても, 一部の胚珠で受精がみとめられ胚乳もわずかに発育したが, 胚乳の発育はやがてとまり卵細胞は分裂しなかつた。また, 花粉管が胚珠に侵入しても受精しなかつたり, 受精したとしても胚乳核が分裂しなかつたものも認められた。以上の結果から, 交雑不和合組合せでは花粉管の生長が異常なために受精が困難になるものと考えられる。
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