スイートピーの花色に関する研究 (第1報) : 春咲種のアントシアン色素生成について
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概要
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本実験はカスバートソン•フロリバンダ系春咲スイートピーの花弁の発育にともなうアントシアン色素の生成を検討したもので, その結果はつぎのとおりである.1. 蕾の発育にともなう花弁の新鮮重の変化は, アントシアン色素出現後の日数(x)に対して新鮮重のmg数を対数指標(y)で図示した場合, 花弁にアントシアン色素が出現して4日目の開花日をさかいにして, その前後でそれぞれy=0.153x+1.76およびy=0.029x+2.25の式で与えられるパターンを示した.2. 供試した6品種のアントシアニジン組成は,‘Danny’および‘Astrid’がDp系, ‘Kenneth’および‘Ruth’がCy系, および‘Evelyn’がPg系であつたが, とくに緋赤色の花弁を持つ‘Jimmy’はヒドロキシル化レベルを異にするPg系とCy系とが共存する混在型であり, またこの品種における6日目の花弁では構成色素比率がPg:Cy:Pn=67:12:21であつた.3. アントシアン色素の生成は花弁がある程度の大きさに達してからはじめて急速に行なわれ, そのピークは花弁の新鮮重がもつとも増加する時期と一致しなかつた.4. 個々の構成アントシアニジンの蓄積パターンには, それぞれの色素の蓄積量に差を生じる品種 (‘Danny’,‘Astrid’,‘Jimmy’) と生じない品種 (‘Kenneth’,‘Ruth’)の二の型が存在した.5. 個々の構成アントシアニジンの蓄積比率が蕾の発育期間中さほど変化しない品種 (‘Danny’,‘Astrid’, ‘Kenneth’,‘Ruth’) と著しく変化する品種 (‘Jimmy’)が存在した.
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