ウメ果実の貯蔵と低温障害に関する研究 : (第2報)低温障害と貯蔵温度, 品種, 熟度との関係ならびにポリエチレン包装の障害防止効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
9品種の青ウメ果実を0°〜20°Cに貯蔵し, 低温障害発生の様相と各種要因との関係を調査した. 障害の第一次的な症状はピッティングが多いが, 果皮のかっ変に始まる場合もあった.障害の進展は多くの場合0°Cよりも5°Cにおいて急速であった. 10°Cでは24例中11例で障害がまったく発生しなかったが, 最も障害の激しい場合もあった.15°Cでの発生はみられなかった.品種間では玉英の障害発生が最も顕著であり, 豊後, 谷沢系などは概して発生が遅く低率であった. 熟度は, 早採りのものほど障害が大きい傾向があった. 収穫年度によっても著しく異なった.0.03mm 低密度ポリエチレン袋に密封することで, ピッティングの発生を完全に抑制することができた. ただし, 5°Cでは腐敗の発生が比較的早いので, 長期貯蔵には0°Cにおくことが必要である.中間温度において障害の発生が速い現象については,van der Plank らの equilibrium factor と kinetic factor のバランスによるとする説があるが, ウメ果実に同説を適用することはできない. すなわち, 青ウメは収穫後0°Cよりも5°Cに保つ方が, 障害の原因となる異常状態を誘起しやすいと思われ, equilibrium factor が低温ほど大きいとする考え方に疑問がもたれた.
著者
関連論文
- 果実•野菜の成熟生理と貯蔵に関する研究 (第1報) : リンゴ果実の呼吸量, エチレン生成量及び組織内エチレン濃度の変化と成熟現象に関する品種間差異
- 果実•野菜の成熟生理と貯蔵に関する研究 (第2報) : ナシ果実の呼吸量及びエチレン生成量と種間及び品種間差異
- メロン果実の貯蔵に関する研究 (第2報) : 追熟中における呼吸量およびエチレン生成量の変化と品種間差異
- メロン果実の貯蔵に関する研究 (第3報) : 追熟中における揮発性成分生成量の変化と品種間差異
- 葉付き包装によるエダマメの品質保持
- エダマメ収穫後の品質変化とその防止 : (第1報)品質変化に関係する要因とガス組成及び葉付き包装の効果
- ウメ果実の貯蔵と低温障害に関する研究 : (第2報)低温障害と貯蔵温度, 品種, 熟度との関係ならびにポリエチレン包装の障害防止効果
- ウメ果実の貯蔵と低温障害に関する研究 (第1報) : 貯蔵中の外観ならびに内的変化の一般的様相