温州ミカンにおける果実の大きさと糖及び酸含量との関係
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概要
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ほぼ同一の栽培条件下において生産された, 9年生宮川早生の適熟果を, 選果機にかけて大きさ別に分けた. 各階級について, 640果あて任意に抽出し, 果重, 果肉重を測定したのち, 40果あてまとめて搾汁し, 常法によって果汁の糖度計示度 (可溶性固形物濃度) 及び酸濃度(クエン酸換算値で示す) を測定した. 各大きさとも640果の平均値をもって, 1果平均重と可溶性固形物及び酸との関係を考察した.1. 果肉重と果重との間には相対生長式が成立した.2. 果汁の可溶性固形物濃度及び酸濃度は, 果重が増加するにしたがって, 共に明らかに減少し, やや上に凹の曲線を示した.3. 糖度計示度×果肉重をもって示した1果当たりの全可溶性固形物量は, 1果重が増加するにつれて, 上にやや凸ではあるが, ほぼ直線的に増加し, 相対生長式がよく当てはまった.4. 果汁の酸濃度×果肉重をもって示した1果当たりの全酸量は, 果重が増すにしたがって増加したが, 果重が重くなると増加の程度が減少し, 一定の上限値を持つようであり, 逆数式がよく適合するようにみえた.5. 果重と1果当たり全可溶性固形物量又は全酸量との関係式は, 形は違っていたが, いずれも一般化相対生長式(14)の特殊例として示すことができた.6. これらの関係から, 果汁の可溶性固形物濃度, 酸濃度及び甘味比 (糖度計示度/酸濃度) と果重との関係式が導かれた.
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