夏季におけるウンシュウミカン樹の水管理の指標としての葉の水ポテンシャル
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概要
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本実験は, 夏季の土壌乾燥が, ウンシュウミカンの果実品質に及ぼす影響を検討し, 更に, はち植え幼木の実験で示した既報(14)のかん水開始時の ψmax を, ほ場の樹で再検討した.1. 9月1日の ψmax と1果重(果径), 屈折計示度及び遊離酸含量との間には, 9月7日及び12月6日の採取果とも高い相関関係が認められた. 9月と12月とで, ψmax と屈折計示度の直線は -14bar 前後で交差し, ψmax が -14bar より低下した樹では, 12月の屈折計示度の方が9月より低下した. これに対して, 9月と12月の遊離酸含量の間には, 平行移動に似た関係が存在した.2. 9月1日の ψmax と12月6日の果実比重との間には, ψmax -11bar 前後を屈曲点に2種類の曲線関係が存在した. すなわち, ψmax が -11bar 前後までは,ψmax の低下に伴い果実比重は小さくなったが, ψmax がそれ以下になると, 逆に果実比重は増加していった.3. 9月1日の ψmax と12月6日の果皮の着色程度との関係は余り密接でなく, 両者の間を直線関係とみなして相関係数を求めると, -0.7410であった.4. 果実品質を余り低下させないですむ限界のかん水開始時の ψmax は -7bar 以上であり, ψmax をそれ以下にしない水管理が重要である. 出来れば, ψmax が-5.5bar 前後でかん水することが望ましい.5. ψmax が -5.5bar に低下した後, 3mm/day のかん水で, ψmax を -5bar 前後に維持出来た. また, このかん水量で適湿区と近似した品質の果実が生産出来た.
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