ポリエチレングリコールによる野菜種子の発芽促進 (第1報) : ナス, ミツバ及びニンジン
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概要
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ナス, ミツバ及びニンジンの種子に対するポリエチレングリコール6000溶液処理の効果を調査した.1. ナス, ミツバ及びニンジン種子のいずれにおいてもPEG処理によって発芽促進の効果が認められ, 特にナスにおいて低い恒温での発芽が著しく改善された.2. ペトリ皿中でPEGを飽和させたろ紙上に置床, ガーゼの袋に入れてPEG溶液中に浸漬, 及びこの浸漬中に通気を行う, の3法中ではろ紙法のみが有効であった.3. 15°C, 20°C及び25°Cの処理温度中, ナスでは25°Cが最も適当で, ミツバとニンジンでは処理温度による差は認められなかった.4. 処理期間は, ナスとミツバでは7日より14日処理の方が効果が大きかったが, ニンジンではその差は小さかった.5. -7.5, -10.0, -11.8及び-17.7バールのPEG濃度中では, 3種類ともに-10.0バールが最も適当であった.6. ナスではPEG溶液にジベルリンを添加して処理すると効果が著しく増進した.7. 処理した種子を乾燥して7日又は14日間貯蔵した場合, ろ紙上の発芽ではナスとミツバでは効果はほとんど変りなく, ニンジンでもやや低下した程度であった. そしてナスでは乾燥貯蔵によって15°Cの低温での発芽がかえって著しく増進した.8. ナス種子を砂まきした場合は処理の効果がろ紙まきに比べてやや低下し, ことに乾燥貯蔵した後に砂まきした場合に効果の低減が大きかった. しかしやはり相当程度の増進効果は保持されていた.9. PEGの発芽促進による生育促進効果は, ナスでは種後約40日の本葉4枚時でも維持されていた.
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