ミカン幼果の窒素栄養, 特にアスパラギン代謝について
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概要
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6月から8月にかけてのウンシュウミカンの幼果は多量のアスパラギンを含有する. そこで果実の窒素栄養におけるアスパラギンの役割を明らかにするために15Nおび14C化合物を用いて二, 三の実験を行った.1. 幼果期における果皮のアスパラギン含量は果皮の全窒素含量に対し指数関係があり, 果実の窒素レベルを示す指標物質として利用できると考えられた.2. 幼果実は硝酸を還元する能力がある. また無機窒素をグルタミンやアスパラギンに合成する能力が強く, アスパラギンがグルタミンアミド窒素とアスパラギン酸から合成されると推測された.3. 14C-アスパラギンの14Cの行方を調べた結果,アスパラギン酸, 中性及び酸性化合物, アルコール不溶化合物およびCO2などに移行し, 他のアミノ酸へのCの供給源としての役割を担うと同時に, 蛋白質合成にも利用された. また, アスパラギンの変化の様子はアスパラギン酸のそれと若干異なっており, アスパラギンの分解がアスパラギナーゼ以外の酵素によっても触媒されることが示唆された.
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