ナシ園の防鳥網による遮光の影響
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概要
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栃木県のナシ栽培面積における60%以上が防ひょう,防虫, 防鳥を兼ねた目的で白色のラッセルネットを園全面に被覆している. 本研究は, 寒冷しゃを利用した30および70%遮光実験区を設定して果実生産に関連した諸項目への影響を比較検討した.1. 被覆用の網の実用化試験における白色寒冷しゃとラッセルネットの遮光率は, 30と20%内外であった. 相対遮光率の算出は, 1時間当たり20cal/cm2以上の日射量のあった時間帯を基におこなった.2. 1樹3本の主枝をそれぞれの区として毎年3本ずつ供試して5年間実施した. 遮光率が高いほど, 着果層による透過光量の減衰の幅は少なかった.3. 遮光の影響は, 収穫期, 果実の糖度, 単位葉面積当りの乾物重に出やすかった. しかし30%遮光区では乾物重の1部を除き, 無遮光対照区との間に有意な差は認められなかった.1. 1樹を3分割しての試験区のためか, 収量, 平均果重, 平均種子数, 1枚当りの葉面積などに及ぼす影響は明らかでなかった.5. 以上の結果より, 防鳥網の遮光率が30%までは許容されるともいえる.
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