カトレアの齢別シュートにおける14CO2の暗期同化能と14C同化物の転流
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概要
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カトレアLaeliocattleya Culminant ‘La Tuilerie’を用いて暗期に14CO2を同化させ, 明期11時間-暗期13時間の繰返しにおける14C-同産物の転流を調査した.温室内で栽培した6年生で, 7〜9個のシュートが連なり合計19〜24個のシュートを持つ3個体を, 試験に先立ち明期11時間の25°C, 暗期13時間20°Cの条件下で2週間管理した.次にこの3個体を同化箱に密封して, 暗黒条件下で500μCiの14CO2を1時間投与した. その後同化箱内に残った14CO2を1NのKOHとNaOH液に1時間吸着させた直後(A), 同21時間後の明期終了時(B)および45時間後の明期終了時(C)に1株ずつ取り出して90°Cで乾燥後, 各株の代表的な連続した一連のシュートを選び, 各シゴートの葉身, 偽球茎その他の器官の14C放射能を測定した.植物体Aの比放射能は, 一連のシュートの中で成熟段階にある中央部の3つのシュートの葉身が最も高く, それより若い葉身は比較的低く, また老化したシュートの葉身は著しく低かった. 植物体Cでは, A, Bに比較して, 一連のシュートの先端部の若い3つのシュートの葉身の比放射能が増加したが, 偽球茎の比放射能では明らかな変化は認められなかった.これらの結果は成葉から若葉への同化産物の転流を示すものと考えられた. また植物体AとCの相対比放射能(RSA)の比較から, 若い葉身は高いシンク能を保持していると推測された.
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