アサガオの低温による花成とジベレリンA3によるその促進作用
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概要
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短日植物のアサガオ (系統キダチ) は連続照明下でも, 短い期間の低温(15°C)によって花成が誘導される(8). この低温花成は第1本葉が出現する播種後10日目よりおこり始め, その後, 本葉の増加につれて強くなる. 発芽中かあるいは子葉が展開中の幼植物は, 花成がおこるのに25日あるいはそれ以上の低温を要する(11). これに対して, 15日草令の本葉を有する成体植物は, 5〜10日の低温によって花成がおこる. この実験結果は, 発芽直後の“芽ばえ”及び“緑体”の両方が低温に感応するが, 後者の方がより敏感であることを示している.低温直前に, 茎頂にジベレリンA3(GA3)を処理すると低温花成が著しく促進される. また, 低温後のGA3処理は, 若い草令の個体ではその効果はないが, 進んだ草令の個体では促進効果がある. これらの結果は, GA3は, 主として低温によって茎頂でおこる花成の初期過程を促進するが, 草令の進んだ個体にはその後の花成過程をも促進することを示唆している. 低温直前に, 葉を切除すると低温花成はおこらない. この除葉個体の茎頂にGA3を処理すると低温花成がおこる. これらの結果は, 茎頂が低温花成誘導の感応組織であり, 茎頂で花成反応がおこるのに必要なジベレリン様の要因が葉から供給されていることを示唆している.
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