ウンシュウミカンの秋季の環状はく皮とBA散布が花芽の分化,発達に及ぼす影響
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概要
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カラタチ台ウンシュウミカン (興津早生,) の1年生樹を用い, 秋季の環状はく皮とBA (6-benzyl-aminopurine) 散布が花芽の分化, 発達に及ぼす影響を観察するとともに, 樹体の生理的変化を調査した. はく皮処理は, 9月1日に接木部より5cm部の主幹の樹皮を幅3mmで全周剥ぎ取った. 9月1日より, 25°C室に3か月間置いた区 (25°-25°C区) と10月から15°C室に移した区 (25°-15°C区) を設定した. はく皮樹の半数は, はく皮部をビニルテープで被覆してゆ合させ,残りの半数はゆ合させなかった.<BR>12月1日に摘葉高温処理をしたところ, 25°-25°C区のゆ合させなかった樹で発芽が遅れ, 発芽率も低下し,花蕾数も少なかった. ゆ合させた樹では発芽率の低下は少なかった. 25°-15°C区では発芽にはく皮は影響せず, 花蕾数は多くなった. また, ゆ合しない場合には葉の葉緑素含量が低下し, デンプン含量と遊離型プロリン含量が増大した. 高温条件下でゆ合させなかった樹の発芽を促進させるため, BAの200ppm水溶液の葉面散布を行ったところ, 発芽を早め, 発芽率を著しく高めて花蕾や新梢発生数を多くしたが, はく皮による不発芽を完全には改善できなかった.
- 園芸学会の論文